知らない方がよかったのかも知れない。

 傷つくのが怖いから、外の世界が怖い。
 それなのに気付くと恋しがる。
 そんな自分を死ねば良いのにと毎日のように呪う。

 1日1回、見るだけで幸せになれる、 ただの主張も無い(もしかすると主張があるのかも知れないけれど)文字列。
 わたしはきっと、中毒だ。

 "それ"はわたしの全てを支配する。
 複雑な思考回路とか、きっと毛細血管までも支配されているんだ。
 わたしがひどい被害妄想と自己嫌悪に悩まされるのも"それ"のせい。

 記憶なんてなくなれば良いのにと思う。
 そうすれば悲しみも無くなるから。いっそ心も感情も無くて良いと思う。苦しむことが無くなるから。

 わたしは何だかよく分からない森に迷い込んだ兎になる。
 わたしは出口を知らなくて、ただひたすら走るのだけれど、走れど走れど出口は見えなくて、思考停止と感覚麻痺が始まる。
 わたしは"それ"を望むから、誰も知らない世界に兎を作り出す。救いの声が欲しいから。

 なにもかも全部"それ"のせい。
 ずっと手元にあればずっと幸せで居られるのかも知れない。
 それでもそのうちきっと満足できなくなるのだ。

 それが見えているから、わたしは"それ"が大嫌い。

 やっぱり知らない方がよかったのかも知れない。


中毒性のあるネガティブ
(もうすっかり中毒だ)


20080503 江連由弌

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